この記事の要点
- 坐骨神経痛は病気の名前ではなく、お尻から脚にかけての痛み・しびれという「症状の名前」です
- 神経の通り道は腰から足先まで一続き。痛む場所だけでなく、通り道全体を検査します
- 「確かめる → 変える → 確かめ直す」で変化を一緒に確認し、ご自宅で続けられるセルフケアまでお伝えします
先に医療機関へご相談いただきたいとき
次のような場合は、整体より先に、整形外科などの医療機関を受診してください。
- 足に力が入らない、つまずきやすくなった(しだいに悪くなっている)
- 尿や便が出にくい、もれる、お尻のまわりの感覚がにぶい
- 転んだ、ぶつけたなど、はっきりしたけがのあとに痛み出した
- 横になって安静にしていても強く痛む、夜中に痛みで目が覚める
- 熱がある、体重が急に減った、がんの治療中・治療歴がある
当院でも、最初の検査でこうした状態がないかを確認します。必要な場合は、施術の前に医療機関の受診をおすすめしています。
どんな状態か
坐骨神経は、腰から出てお尻を通り、足先までのびる、体の中で一番太い神経です。この神経の通り道に沿って、お尻・太もも裏・すね・足に痛みやしびれが出る状態を「坐骨神経痛」といいます。
大切なのは、坐骨神経痛は病気の名前ではなく、症状の名前だということです。背景には、たとえば次のようなものがあります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症(→ 脊柱管狭窄症のページへ)
- お尻の筋肉のまわりで、神経が動きにくくなっている状態
こんな場面でつらくなりませんか
- 座っていると、お尻から太もも裏がしびれてくる
- 立ち上がるときに、お尻から脚に痛みが走る
- 歩いていると脚が重く、痛くなる
- 前かがみや靴下をはく動きで、脚にひびく
- 車の運転や長いデスクワークのあとがつらい
研究でわかっていること
① 決してめずらしい症状ではありません
坐骨神経痛がどのくらいの人にあるかを調べた研究を23件まとめた報告では、1.2%から43%と大きな幅がありました[1]。何を坐骨神経痛と呼ぶかが研究ごとに違うためと考えられています。
※医師などが実際に診察して判定した研究は、23件中2件だけでした。
② 多くの方は、時間とともに良い方向へ向かいます
イギリスの診療所で、坐骨神経痛や脚の痛みのある609人を1年間追った研究があります[2]。1年後に改善していた方は55%でした。裏を返すと、半数近くの方は1年たってもつらさが残っていたということです。早めに体の状態を確かめる意味は、ここにあります。
③ 安静にしすぎないことも大切です
急な腰痛・坐骨神経痛で「ベッドで安静にする」と「できるだけふだん通り動く」を比べた研究のまとめでは、坐骨神経痛の方の痛みや機能に、ほとんど差はありませんでした[3]。動ける範囲で、ふだんの生活を続けることが一つの目安になります。
④ 神経を「すべらせる」運動
神経は体が動くたびに、周りの組織の中を少しずつすべって動いています。この動きを促す「神経モビライゼーション」の研究をまとめた報告では、慢性腰痛の方で痛みと生活の支障の改善が見られました[4]。ただし、坐骨神経痛だけを分けた結果は示されていません。研究の質にもばらつきがあると著者は述べています。
GENRYUが検査すること
- 神経の動き:脚を上げる、首を曲げるなどの検査で、どこで神経の動きが引っかかっているかを確かめます
- 神経の敏感さ:同じ動きでも、その日の状態で痛みの出方は変わります。神経が「守りに入っている」ときは、まず安心して動ける範囲から始めます
- 腰以外の関わり:股関節、足首、呼吸の動きなど
この結果を「基準」にして、条件を一つ変えたあとに、もう一度同じ検査をします。その場の変化を一緒に確認します。
ご自宅でできるセルフチェック
いすに浅く座り、片方の膝をゆっくり伸ばしてみてください。どこまで伸ばすと、お尻や脚にひびくか。あごを引いたときと、上を向いたときで違いがあるか。メモしておくと、変化を比べる基準になります。ひびきが強くなる手前で止めてください。
ご自宅でできるセルフケア
上のセルフチェック(いすで膝を伸ばしたときのひびき)を「基準」にして、どれか1つを行い、もう一度同じチェックで確かめます。ひびきが軽くなる・膝が伸ばしやすくなるものが、今のあなたに合っている可能性があります。
1. 座ってできる「神経のすべり運動」

神経は体の動きに合わせて、周りの組織の中をすべっています[4]。引っぱりすぎずに、すべりを促す運動です。
- いすに浅く座り、背すじを軽く伸ばします
- 片方の膝をゆっくり伸ばしながら、足首を手前に曲げ、同時に顔を少し上に向けます
- 膝を曲げながら、顔を元に戻します
- 2と3を、ひびきが出る手前の範囲でゆっくりくり返します
※5秒止めたり、強く伸ばしたりはしません
2. お尻の筋肉のストレッチ

- いすに座り、つらい側の足首を反対の膝の上にのせます
- 背すじを伸ばしたまま、お尻が「痛気持ちいい」ところまで体を前に倒します
- そのまま30秒、ゆっくり呼吸します
※股関節や膝に痛みが出る場合は、足をのせる位置を低くします
3. 動ける範囲で歩く
安静にしすぎず、ふだん通りの生活を続けることが一つの目安です[3]。痛みが強くならない時間・距離から始め、セルフチェックの結果と一緒にメモしておきます。
中止の目安:しびれやひびきが強くなる、広がる、あとまで残る場合はすぐに中止してください。脚の力が入りにくい、排尿・排便に異常がある場合は、このページ冒頭の受診の目安をご確認ください。
マイベストプロ大分のコラムでも、関連する内容を書いています。
→ 坐骨神経痛でお悩みの方必見。自分でできる、坐骨神経ストレッチ
→ 坐骨神経痛での「お尻の痛み」が改善しにくい方へのオススメエクササイズ
→ 坐骨神経痛が中々改善しない…ここ、見落としてませんか?
痛みやしびれが強くなる場合は、無理をせず中止してください。
日常生活で気をつけたいこと
- 安静にしすぎない:痛みが強くならない範囲で、ふだんの生活を続けることが一つの目安です[3]
- 同じ姿勢を長く続けない:座りっぱなしの時間が長い方は、ときどき立ち上がって軽く歩きます
- しびれの変化をメモする:どの姿勢・どの時間帯で強くなるかを記録しておくと、検査のときの手がかりになります
- 経過は人によって違う:1年後に改善していた方は約半数という報告もあります[2]。長引くときは、早めに体の状態を確かめましょう
初回の流れ(約90分)

- お話を伺う:いつから・どんなときにつらいか、病院での診断や治療、お仕事や生活での姿勢を伺います
- 検査:脚を上げる・首を曲げるなどで神経の動きを確かめ、股関節・足首・呼吸の動きも見ます
- 見立てのご説明:検査の結果から、何が関わっていそうかを図や言葉でお伝えします
- 施術できる状態かの確認:医療機関を先に受診していただいたほうがよいサインがないかを確かめます
- 施術:検査で見つかった場所に、体の状態に合わせた方法で行います。首や腰を勢いよくひねったり、強く押したりはしません
- 再検査:最初と同じ検査をもう一度行い、変化をその場で一緒に確かめます
- セルフケアのご案内:再検査で変化が大きかったものを中心に、ご自宅で続けられる方法をお伝えします
坐骨神経痛のよくある質問
Q. しびれがあっても受けられますか?
A. はい、受けられます。足に力が入らない、しびれの範囲が広がっている、尿や便の異常がある場合は、先に医療機関を受診してください。
Q. 病院で「ヘルニア」「脊柱管狭窄症」と言われています。
A. 医師の診断を前提に、症状が出にくい動き方を一緒に探します。治療中の方は、初回の問診でお知らせください。
Q. 痛いときは安静にしたほうがいいですか?
A. 強い痛みが出る動きは避けつつ、動ける範囲でふだんの生活を続けることがすすめられています。どこまで動いてよいかは、検査の中で一緒に確かめます。
Q. ボキボキ鳴らしたり、強く押したりしますか?
A. そのような施術は行いません。
坐骨神経痛でご来院された方の声
坐骨神経痛の痛み・しびれで、歩くのがつらかった方(大分市)
※個人の感想です。ほかの方の声は患者さんの声のページでご覧いただけます。
初回の料金とご予約

通常 11,000円 → 初回限定 半額 5,500円(税込)/所要時間 約90分
※2回目以降は1回 11,000円(税込)です。
問診 → 検査 → 原因の見立て → 施術できる状態かの確認 → 施術 → 再検査 → セルフケアのご案内、の流れで、じっくり時間をとります。
LINEでは、お名前・お困りの症状・症状の経過・ご希望の施術日(曜日・時間帯)をお送りください。
電話 080-7982-0022(受付 9:00〜18:00)/営業時間 9:00〜19:00/定休日 日曜・祝日
関連する症状のページ
腰痛(入口) / 腰椎椎間板ヘルニア / 脊柱管狭窄症 / 股関節の痛み / 膝の痛み
参考文献・引用文献
- [1] Konstantinou K, Dunn KM. Sciatica: review of epidemiological studies and prevalence estimates. Spine. 2008. PMID 18923325 PubMed
- [2] Konstantinou K, et al. Prognosis of sciatica and back-related leg pain in primary care: the ATLAS cohort. Spine J. 2018. PMID 29174459 PubMed
- [3] Dahm KT, Brurberg KG, Jamtvedt G, Hagen KB. Advice to rest in bed versus advice to stay active for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database Syst Rev. 2010;(6):CD007612. doi:10.1002/14651858.CD007612.pub2 DOI
- [4] Basson A, Olivier B, Ellis R, et al. The effectiveness of neural mobilization for neuro-musculoskeletal conditions: a systematic review and meta-analysis. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(9):593-615. doi:10.2519/jospt.2017.7117 / PMID 28704626 PubMed