この記事の要点
- 肩の痛みや肩こりには、肩の関節だけでなく、肩甲骨・胸の背骨(胸椎)・首の動きも関わります
- 画像で見つかる腱板の傷は、痛みのない人にもよく見られます
- 当院では「検査 → 施術 → 再検査」で、変化をその場で一緒に確認します
先に医療機関へご相談いただきたいとき
次のような場合は、整体より先に、医療機関を受診してください。
- 転んだ・ぶつけたあとから腕が上がらない
- 胸の痛みや息苦しさ、冷や汗を伴う肩の痛み(特に左肩)
- 熱がある、肩が赤く腫れて熱をもっている
- 腕や手のしびれ、力が入らない
- 安静にしていても痛みが日に日に強くなる、体重が急に減った
当院でも、最初の検査でこうした状態がないかを確認します。必要な場合は、施術の前に医療機関の受診をおすすめしています。
よくある肩の痛み
① 肩が痛くて、腕を上げられない
腕を前や横から上げようとすると痛む、途中までしか上がらない。いわゆる「四十肩・五十肩」(肩関節周囲炎、凍結肩)や、肩のインナーマッスルである「腱板(けんばん)」の傷が関わっていることがあります。
ただし、腱板の傷は痛みのない人にもよく見られます。日本のある村で住民664人の肩を超音波で調べた研究では、22.1%に腱板の断裂があり、そのうち65.3%は症状がありませんでした[1]。また、四十肩・五十肩は「放っておけば必ず元通りになる」と言われることがありますが、研究をまとめると、治療をしなかった場合、何年たっても動きが完全には戻らない方もいると報告されています[2]。
GENRYUが検査すること:どの方向・どの角度で痛むか、肩甲骨と胸の背骨の動き、腕を上げるときの肩甲骨の動き方
→ 四十肩・五十肩について詳しくは「四十肩・五十肩」のページへ(時期ごとの特徴・研究でわかっていること・セルフチェック)
② 肩を動かすと、引っかかって痛い
腕を上げていく途中のある角度で「引っかかる」「ズキッとする」。肩の上の骨(肩峰)の下で腱がこすれるような痛みは「肩峰下(けんぽうか)の痛み」と呼ばれます。
この痛みに対して骨を削る手術を行っても、見せかけの手術(偽の手術)と比べて、はっきりした差はなかったと報告されています[3][4]。だからこそ、まずは肩の動き方そのものを見直すことが大切です。
肩甲骨の動きの乱れは肩の痛みのある方に多く見られますが、それが原因なのか結果なのかは人によって違います[5]。当院では、肩甲骨を支えたときに痛みが変わるかを検査し、その場で確かめます。
GENRYUが検査すること:引っかかる角度、肩甲骨を支えたときの痛みの変化、胸の背骨の動き
③ 肩が痛くて、着替えや体・髪を洗うのがつらい
服の脱ぎ着、背中を洗う、髪を洗う。これらは、腕を上げながら外にひねる、後ろに回しながら内にひねるといった、肩の動きを組み合わせた動作です。日常生活の中で、一番困りやすい動きでもあります。
痛みがあるうちは、服を着るときは痛い側の腕から袖を通し、脱ぐときは痛くない側から脱ぐと楽になります。
GENRYUが検査すること:腕を上げる・ひねる・後ろに回す動きのどこで止まるか、肩甲骨と胸の背骨の動き
④ 肩が痛くて、夜眠れない
夜、寝返りをしたときや、横になっているだけで肩がうずく。夜の痛みは、四十肩・五十肩や腱板の傷でよく見られます。肩の痛みがある人は、ない人に比べて睡眠の質が低いという報告もあります[7]。
痛みがあるうちは、痛い側を上にして横向きに寝る、仰向けなら腕の下にタオルやクッションを入れて肘が下がらないようにすると楽になることがあります。
GENRYUが検査すること:寝る姿勢と痛みの関係、肩の前側の窮屈さ、肩甲骨の位置
⑤ 背中に手を回すと、肩が痛い
エプロンのひもを結ぶ、ズボンの後ろポケットに手を入れる、ブラジャーのホックを留める。背中に手を回す動きは、肩を後ろに引きながら内にひねる動きで、四十肩・五十肩では特に制限が出やすい動きです。
四十肩・五十肩では、痛みの強い時期には医療機関での注射のほうが短期的に効果が大きかったという研究もあり、6〜12か月後には差が小さくなっていました[6]。痛みが強い時期は医療機関での治療と組み合わせることも一つの選択肢です。
GENRYUが検査すること:手が背中のどこまで届くか、肩の前側と肩甲骨の動き、胸の背骨のひねり
⑥ 首から肩にかけてこる、重だるい(肩こり)
デスクワークやスマホのあと、首の付け根から肩にかけて重い、張る、もんでもすぐに戻る。いわゆる「肩こり」です。2022年の国民生活基礎調査では、肩こりは男女とも、体の不調として訴える人が多い症状の第2位でした(1位は腰痛)[8]。
「姿勢が悪いから肩がこる」とよく言われます。研究をまとめると、大人では、首が前に出た姿勢と首の痛みに関連が見られました。一方、10代でははっきりした関連が見られませんでした。ただし、どの研究もある時点を切り取って比べたもので、姿勢が痛みの原因かどうかまではわかっていません[9]。
一方で、体を動かすことには研究の裏付けがあります。
- パソコン作業などの多い職場で働き、肩の筋肉(僧帽筋)に痛みのある女性48人の研究では、痛む筋肉そのものを鍛える運動を10週間続けたグループで痛みが大きく減りました。自転車こぎのような全身の運動では、軽くなるのは一時的でした[10]。
- 首や肩の痛みがよくある働く大人198人の研究では、ゴムチューブを使った1日2分の運動でも、10週間で痛みが軽くなりました[11]。
どちらも働く大人を対象にした研究で、すべての肩こりに同じ結果が出るとは限りません。当院では、こっている場所をもむだけでなく、どの動きで張りが強くなるかを確かめ、ご自宅で続けられる運動をお伝えします。
GENRYUが検査すること:首を回す・倒す動き、腕を上げたときの肩甲骨の動き、胸の背骨の動き、目の動き
→ 詳しくは「肩こり」のページへ(研究でわかっていること・検査・セルフチェック・よくある質問)
→ 院長が解説した記事(集英社オンライン):巻き肩と肩こり・呼吸のしづらさ/スマホの使いすぎと肩の上がりにくさ
GENRYUの検査と施術の流れ

1. お話を伺う
いつから、どんな動きで痛むか。夜の痛みの有無、これまでに受けた検査や治療、着替えや洗髪など生活の中で困っている動きを伺います。
2. 検査
腕を上げる・ひねる・後ろに回す。肩だけでなく、肩甲骨・胸の背骨・首の動きも一つずつ確かめます。これが、あとで変化を比べる「基準」になります。


3. 見立てをお伝えする
検査の結果から、痛みに関わっていそうなところを図でご説明します。
4. 施術と再検査
関わりが大きいところに絞って施術します。そのあと最初と同じ動きをもう一度行い、変化を一緒に確認します。

ご自宅でのセルフケア
当院では、検査の結果をもとに、あなたに合った正しいストレッチやエクササイズをお伝えします。ご自宅では、当院の「検査 → 施術 → 再検査」と同じ考え方で、次の3つの手順で行っていただきます。
- 事前チェック:「腕を上げる」「背中に手を回す」などの動きで、痛みや動ける範囲を確かめる
- セルフケア実践:お伝えしたストレッチやエクササイズを行う
- 実践後チェック:同じ動きをもう一度行い、変化を確かめる
動画でも、肩のセルフケアをご紹介しています(GENRYUチャンネルで再生回数の多い動画です)。
ブログでも、ご自宅で確かめながら行うセルフケアを詳しくご紹介しています。
→ 腕が上がらない・耳の横までつかない方へ|肩の動き(挙上・外旋・内旋)を自分で確かめて、ゆるめるセルフケア
マイベストプロ大分のコラムでも、関連する内容を書いています。
→ 肩が夜に疼くのはなぜ?肩の夜間痛のメカニズム
→ 背中に手が届かないのはなぜ?結帯動作が制限される5つの医学的理由と改善エクササイズ
→ 肩が上がらない?挙上制限の隠れた原因を科学で解説
痛みが強くなる、腕のしびれが出る場合は、すぐに中止してください。
肩のよくある質問
Q. 「四十肩・五十肩」と言われました。受けられますか?
A. はい、受けられます。痛みの強い時期かどうかを検査で確かめ、その時期に合った動かし方をお伝えします。
Q. 「腱板が切れている」と言われました。
A. 医師の診断を前提に、ご相談ください。腱板の断裂は症状のない方にも見られるため、今の肩の動きを検査し、痛みが出にくい動き方を一緒に探します。手術が必要かどうかは主治医とご相談ください。
Q. 病院で注射を受けています。併用できますか?
A. 併用できます。初回の問診で、受けている治療をお知らせください。
Q. ボキボキ鳴らしたり、強く押したりしますか?
A. そのような施術は行いません。
Q. 何回くらい通えばいいですか?
A. 今の状態(重症度)に応じて変わります。施術当日に、お体の状態を把握したうえで、おおよその通院期間をお伝えします。
Q. どんな服装で行けばいいですか?
A. スカートやタイトなパンツでなければ、着替えは必要ありません。肩を動かしやすい、前開きの服がおすすめです。
Q. 健康保険は使えますか?
A. 当院は整体院のため、健康保険はご利用いただけません。
肩のお悩みでご来院された方の声
長年の腰痛と肩の痛みに悩んでいた方(アンブル歯科 歯科医師 原 豪志さん)
「背中に手を回す動作が全く出来なかったのが、手がくっつくようになったことです。(中略)安部先生は私を励まし一緒に取組んでくれ、そして手がくっついた時は本当に感動しました。」
※一部を抜粋しています。個人の感想であり、効果には個人差があります。
初回の料金とご予約
通常 11,000円 → 初回限定 半額 5,500円(税込)/所要時間 約90分
※2回目以降は1回 11,000円(税込)です。
問診 → 検査 → 原因の見立て → 施術できる状態かの確認 → 施術 → 再検査 → セルフケアのご案内、の流れで、じっくり時間をとります。
LINEでは、お名前・お困りの症状・症状の経過・ご希望の施術日(曜日・時間帯)をお送りください。
電話 080-7982-0022(受付 9:00〜18:00)/営業時間 9:00〜19:00/定休日 日曜・祝日
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参考文献・引用文献
- [1] Minagawa H, Yamamoto N, Abe H, et al. Prevalence of symptomatic and asymptomatic rotator cuff tears in the general population: from mass-screening in one village. J Orthop. 2013;10(1):8-12. doi:10.1016/j.jor.2013.01.008 PubMed
- [2] Wong CK, Levine WN, Deo K, et al. Natural history of frozen shoulder: fact or fiction? A systematic review. Physiotherapy. 2017;103(1):40-7. PubMed
- [3] Beard DJ, Rees JL, Cook JA, et al. Arthroscopic subacromial decompression for subacromial shoulder pain (CSAW): a multicentre, pragmatic, parallel group, placebo-controlled, three-group, randomised surgical trial. Lancet. 2018;391(10118):329-38. doi:10.1016/S0140-6736(17)32457-1 DOI
- [4] Karjalainen TV, Jain NB, Page CM, et al. Subacromial decompression surgery for rotator cuff disease. Cochrane Database Syst Rev. 2019;(1):CD005619. PubMed
- [5] Kibler WB, Ludewig PM, McClure PW, et al. Clinical implications of scapular dyskinesis in shoulder injury: the 2013 consensus statement from the ‘scapular summit’. Br J Sports Med. 2013;47(14):877-85. doi:10.1136/bjsports-2013-092425 DOI
- [6] Page MJ, Green S, Kramer S, et al. Manual therapy and exercise for adhesive capsulitis (frozen shoulder). Cochrane Database Syst Rev. 2014;(8):CD011275. DOI
- [7] Tekeoglu I, Ediz L, Hiz O, et al. The relationship between shoulder impingement syndrome and sleep quality. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2013;17(3):370-4. 本文
- [8] 厚生労働省. 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況. III 世帯員の健康状況(有訴者の状況). 厚生労働省
- [9] Mahmoud NF, Hassan KA, Abdelmajeed SF, et al. The Relationship Between Forward Head Posture and Neck Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis. Curr Rev Musculoskelet Med. 2019;12(4):562-77. doi:10.1007/s12178-019-09594-y PubMed
- [10] Andersen LL, et al. Effect of two contrasting types of physical exercise on chronic neck muscle pain. Arthritis Rheum. 2008;59(1):84-91. doi:10.1002/art.23256 PubMed
- [11] Andersen LL, Saervoll CA, Mortensen OS, et al. Effectiveness of small daily amounts of progressive resistance training for frequent neck/shoulder pain: randomised controlled trial. Pain. 2011;152(2):440-6. doi:10.1016/j.pain.2010.11.016 DOI