この記事の要点
- 頸椎症は、首の骨や椎間板が年齢とともに変化し、首の痛みや腕のしびれにつながることがある状態です
- 画像で見える変化と、今の痛みやしびれの強さは、必ずしも一致しません
- 当院では「検査 → 施術 → 再検査」で、首だけでなく胸の背骨・肩甲骨・神経の動きまで確かめ、ご自宅で続けられるセルフケアまでお伝えします
先に医療機関へご相談いただきたいとき
次のような場合は、整体より先に、整形外科などの医療機関を受診してください。
- 手先が使いにくい(ボタンがとめにくい、箸が使いにくい、字が書きにくい)
- 歩くとふらつく、階段で手すりが必要になってきた
- 両手や両足にしびれが広がっている
- 腕や手の力が急に入りにくくなった
- 排尿・排便に異常がある
- 転倒やけがのあとから痛みやしびれが出た、熱がある、体重が急に減った
これらは、首の中を通る脊髄(せきずい)が圧迫される「頸椎症性脊髄症」などのサインのことがあります。当院でも最初の検査で確認し、必要な場合は施術の前に医療機関の受診をおすすめしています。
どんな状態か
首の骨(頸椎)のあいだにある椎間板が薄くなったり、骨のふちにとげ(骨棘:こつきょく)ができたりする、年齢による変化を「頸椎症」と呼びます。
変化が神経の根元(神経根)にかかると、首から肩甲骨・腕・手にかけての痛みやしびれ(頸椎症性神経根症)が出ることがあります。脊髄にかかると、手の使いにくさや歩きにくさ(頸椎症性脊髄症)につながることがあります。
こんな場面でつらくなりませんか
- 上を向く、うがいをするときに、首から肩・腕にひびく
- 長くパソコンやスマホを見ていると、首から肩甲骨のあたりが重くなる
- 振り向くと首がつまる感じがする
- 朝起きたときに首がこわばっている
- 片方の腕や指先がしびれる
研究でわかっていること
① 画像の変化は、痛みのない人にもよく見られます
首に症状のない日本人1,211人(20〜79歳)の首のMRIを調べた研究では、椎間板のふくらみ(膨隆)が1か所以上見られた人は87.6%でした。脊髄が圧迫されている所見は5.3%で、50歳以降に増えていました[1]。
※ある時点で一度だけ調べた研究なので、「この変化がある人が将来痛くなる」とまでは言えません。
② 首から腕の痛み・しびれ(神経根症)の経過
アメリカの地域の医療記録から、神経根症と診断された561人を追った研究があります(追跡期間の中央値4.9年)[2]。最後の時点で、90%の方が「症状なし」または「軽い支障のみ」でした。ただし、途中で26%の方が手術を受け、31.7%の方で再発がありました。
首のヘルニアによる神経根症の経過をまとめた研究でも、発症から4〜6か月で大きく軽くなる方が多いと報告されています(研究の数が少なく、質は高くありません)[3]。
③ どんな方法が勧められているか
アメリカの理学療法の診療ガイドライン(2017年)では、腕に痛みが広がる首の痛みが長引いている方に、ストレッチや筋力の運動と、首や胸の背骨を動かす手技を組み合わせることが勧められています。仕事や運動を続けられるよう、説明と相談を行うことも勧められています[4]。
一方、保存療法(手術以外の方法)を比べた研究のまとめでは、どれか一つの方法が一貫して優れているとは言えず、どの方法でも時間とともに改善していました[5]。当院では、一つの方法に頼らず、検査で体の変化を確かめながら組み合わせを選びます。
④ 手の使いにくさ・歩きにくさは、まず医療機関へ
脊髄の圧迫による「頸椎症性脊髄症」では、ボタンがとめにくい・字が書きにくいなどの手の細かい動作のしにくさや、歩くときのふらつきが主なサインです。早めに専門医を受診することが勧められ、首をひねるような手技は避けるべきとされています[6]。症状の程度によっては、手術が勧められます[7]。
日本整形外科学会などの『頚椎症性脊髄症診療ガイドライン2020』も参考にしています[8]。
「見えたこと」と「今の症状」は分けて考えます
レントゲンやMRIで変化が見つかっても、それだけで今の痛みの原因とは決められません。当院では、どの動きで症状が強くなり、どの条件を変えると楽になるかを、体で確かめながら探していきます。
GENRYUが検査すること
- 首を動かしたとき(上を向く・振り向く・横に倒す)に、どこでどう症状が変わるか
- 胸の背骨と肩甲骨の動き(首に負担が集まっていないか)
- 腕の神経の動き(腕を伸ばす・手首を返すなどで、ひびきが変わるか)
- 手の力・感覚、歩き方とバランス(医療機関にご相談いただく目安がないか)
- 呼吸や目の動きなど、脳が体を守ろうとして力が入りすぎていないか
この結果を「基準」にして、条件を一つ変えたあとに、もう一度同じ検査をします。その場の変化を一緒に確認します。
ご自宅でできるセルフチェック
いすに座り、背すじを軽く伸ばした姿勢と、背中を丸めた姿勢で、それぞれゆっくり上を向いてみてください。どこまで上を向けるか、首や腕にひびくかをメモします。ひびきが強くなる手前で止めてください。
ご自宅でできるセルフケア
上のセルフチェックを「基準」にして、どれか1つを行い、もう一度同じチェックで確かめます。
1. あご引き運動(首の奥の筋肉)

- いすに座り、背すじを軽く伸ばします
- 目線は正面のまま、あごを軽く引いて、首の後ろを長くするようにします
- 5秒止めて、ゆっくり戻します
※頭を前に倒すのではなく、まっすぐ後ろへ引くイメージです
2. 胸の背骨を動かす

- いすに座り、両手を胸の前で組みます
- 胸を軽く持ち上げるようにして、胸の背骨を少し反らします
- ゆっくり元に戻します
※首だけを反らさないようにします
3. 腕の神経のすべり運動
- いすに座り、しびれのある側の腕を横に広げ、手のひらを上に向けます
- 手首を反らしながら、頭をその腕の側へ少し傾けます
- 手首を戻しながら、頭を反対側へ少し傾けます
※しびれのある方は、ひびきが出る手前の小さな範囲で行います。5秒止めたり、強く伸ばしたりはしません
中止の目安:腕や手のしびれ・痛みが強くなる、広がる、あとまで残る場合は中止してください。手の使いにくさや歩きにくさがある場合は、このページ冒頭の受診の目安をご確認ください。
マイベストプロ大分のコラムでも、関連する内容を書いています。
→ 上を向いた時に生じる首痛を改善する、マッサージポイント
→ 首の横の痛みを解消する「斜角筋ストレッチ」
→ 首の痛みに効く!固まった肋骨の動きを改善し、呼吸を楽にする方法
頸椎症のよくある質問
Q. 頸椎症と診断されています。受けられますか?
A. はい、受けられます。医師の診断を前提に、首に負担が集まりにくい動き方を一緒に探します。治療中の方は、初回の問診でお知らせください。手の使いにくさや歩きにくさがある場合は、先に医療機関での確認をおすすめします。
Q. 骨の変形は元に戻りますか?
A. 骨のかたちを元に戻す施術ではありません。首・胸の背骨・肩甲骨の動き方を変えて、首にかかる負担を減らすことを目指します。
Q. 手術をすすめられています。
A. 手術を受けるかどうかは、主治医とよくご相談ください。当院では、手術の要否は判断しません。
Q. 首をボキッと鳴らしたり、強く押したりしますか?
A. そのような施術は行いません。
初回の料金とご予約
通常 11,000円 → 初回限定 半額 5,500円(税込)/所要時間 約90分
※2回目以降は1回 11,000円(税込)です。
問診 → 検査 → 原因の見立て → 施術できる状態かの確認 → 施術 → 再検査 → セルフケアのご案内、の流れで、じっくり時間をとります。
LINEでは、お名前・お困りの症状・症状の経過・ご希望の施術日(曜日・時間帯)をお送りください。
電話 080-7982-0022(受付 9:00〜18:00)/営業時間 9:00〜19:00/定休日 日曜・祝日
関連する症状のページ
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参考文献・引用文献
- [1] Nakashima H, Yukawa Y, Suda K, Yamagata M, Ueta T, Kato F. Abnormal findings on magnetic resonance images of the cervical spines in 1211 asymptomatic subjects. Spine. 2015;40(6):392-8. doi:10.1097/BRS.0000000000000775 / PMID 25584950 PubMed
- [2] Radhakrishnan K, Litchy WJ, O’Fallon WM, Kurland LT. Epidemiology of cervical radiculopathy. A population-based study from Rochester, Minnesota, 1976 through 1990. Brain. 1994;117(Pt 2):325-35. PMID 8186959 PubMed
- [3] Wong JJ, Côté P, Quesnele JJ, Stern PJ, Mior SA. The course and prognostic factors of symptomatic cervical disc herniation with radiculopathy: a systematic review of the literature. Spine J. 2014;14(8):1781-9. doi:10.1016/j.spinee.2014.02.032 / PMID 24614255 PubMed
- [4] Blanpied PR, Gross AR, Elliott JM, et al. Neck Pain: Revision 2017. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(7):A1-A83. doi:10.2519/jospt.2017.0302 DOI
- [5] Thoomes EJ, Scholten-Peeters GGM, Koes BW, Falla D, Verhagen AP. The effectiveness of conservative treatment for patients with cervical radiculopathy: a systematic review. Clin J Pain. 2013;29(12):1073-86. doi:10.1097/AJP.0b013e31828441fb / PMID 23446070 PubMed
- [6] Davies BM, Mowforth OD, Smith EK, Kotter MRN. Degenerative cervical myelopathy. BMJ. 2018;360:k186. doi:10.1136/bmj.k186 / PMID 29472200 PubMed
- [7] Fehlings MG, Tetreault LA, Riew KD, et al. A Clinical Practice Guideline for the Management of Patients With Degenerative Cervical Myelopathy: Recommendations for Patients With Mild, Moderate, and Severe Disease and Nonmyelopathic Patients With Evidence of Cord Compression. Global Spine J. 2017;7(3 Suppl). doi:10.1177/2192568217701914 / PMID 29164035 PubMed
- [8] 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会 監修『頚椎症性脊髄症診療ガイドライン2020(改訂第3版)』南江堂, 2020. Minds