胸郭出口症候群(腕・手のしびれ、腕を上げるとだるい)

この​記事の​要点

  • 胸郭出口症候群は、首から腕へ向かう神経や血管が、首・鎖骨・肋骨のすき間で圧迫されたり引っぱられたりする状態です
  • 大部分は神経が関わるタイプで、診断がむずかしいことが知られています
  • 当院では、首の向き・腕の位置・呼吸でしびれがどう変わるかを、一つずつ確かめます

先に​医療機関へ​ご相談いただきたいとき

次のような場合は、整体より先に、整形外科などの医療機関を受診してください。

  • 手や足のしびれ、力が入らない、箸やボタンが使いにくい、歩きにくい
  • 手の色が白い・紫になる、冷たい、腕がむくむ(血管の圧迫の可能性があります)
  • しびれや力の入りにくさが、日に日に強くなっている
  • 安静にしていても強く痛む、夜中に痛みで目が覚める

当院でも、最初の検査でこうした状態がないかを確認します。必要な場合は、施術の前に医療機関の受診をおすすめしています。

どんな​状態か

首から腕へ向かう神経(腕神経叢)や血管は、首の筋肉(斜角筋)のすき間、鎖骨と肋骨のすき間、胸の前の筋肉(小胸筋)の下を通って腕に向かいます。このどこかで圧迫されたり引っぱられたりして、腕や手にしびれ・だるさ・痛みが出る状態を「胸郭出口症候群」といいます。

こんな​場面で​つらく​なりませんか

  • つり革につかまる、洗濯物を干すなど、腕を上げるとしびれる・だるい
  • 小指側の手や腕がしびれる
  • 重いかばんを肩にかけると、腕がしびれる
  • 首や肩こりと一緒に、腕が重い

研究で​わかっていること

① 大部分は​神経が​関わる​タイプです

胸郭出口症候群のうち、神経が関わるタイプ(神経性)は、報告によって約70〜95%と幅があります[1][2]。

② 診断が​むずかしい​状態です

診断までに長い年月がかかった例も報告されています。誘発テストの精度もあまり高くありません(感度72%・特異度53%)[1]。

③ 理学療法の​役割

専門施設で、まず6週間の理学療法を受けた150人のうち、27%は理学療法だけで十分に改善しました[3]。理学療法が役立った割合は、研究によって27〜59%です[1]。

※手術以外の方法を比べた試験はまだ少なく、はっきりしたことは言えません。

GENRYUが​検査すること

  1. 神経の通り道(首の向き・腕の位置でしびれが変わるか)
  2. 斜角筋・胸の前の筋肉の硬さ
  3. 肋骨の動きと呼吸
  4. 肩甲骨の位置と動き

この結果を「基準」にして、条件を一つ変えたあとに、もう一度同じ検査をします。その場の変化を一緒に確認します。

ご自宅で​できる​セルフチェック

両腕を横から肩の高さまで上げ、肘を90度に曲げて(降参のポーズ)、手をゆっくり握ったり開いたりしてみてください。しびれやだるさが出るまでの時間をメモします。しびれが強くなったら、すぐに腕を下ろしてください。

痛みが強くなる場合は、無理をせず中止してください。

ご自宅でできるセルフケア

上のセルフチェック(降参のポーズで手を握って開く)を「基準」にして、どれか1つを行い、もう一度同じチェックで確かめます。チェックはしびれが出る前に止めてください。

1. 肩をすくめてゆるめる

目安:ゆっくり10回

いすに座り、両肩をすくめた姿勢と、肩を下ろした姿勢
  1. いすに座り、腕の力を抜きます
  2. 息を吸いながら、両肩をゆっくり耳に近づけるようにすくめます
  3. 息を吐きながら、肩をストンと下ろします

※首の前や横に力が入りすぎない範囲で行います

2. 首の横(斜角筋)のやさしいストレッチ

目安:20秒×左右1〜2回

いすに座り、右手で座面の端を持って、頭を左へゆっくり倒す首の横のストレッチ
  1. いすに座り、伸ばしたい側の手でいすの座面の端を軽く持ちます
  2. 頭を反対側へゆっくり倒し、首の横が軽く伸びるところで止めます
  3. そのまま20秒、ゆっくり呼吸します

理学療法だけで十分に改善した方がいる一方で、手術以外の方法を比べた研究はまだ少ないことがわかっています[1][3]。変化を確かめながら続けましょう。

中止の目安:腕や手のしびれ・だるさが強くなる、広がる、あとまで残る場合はすぐに中止してください。手の色が変わる、腕がむくむ、冷たくなる場合は、このページ冒頭の受診の目安をご確認ください。

胸郭出口症候群の​よくある​質問

Q. 病院で「胸郭出口症候群の疑い」と言われました。

A. 医師の診断を前提に、しびれが出にくい腕の使い方や姿勢を一緒に探します。

Q. 首のヘルニアとの違いは?

A. どちらも腕にしびれが出ます。首の動きと腕の位置で、どちらの関わりが大きいかを検査で確かめます。診断は医療機関でお受けください。

Q. ボキボキ鳴らしたり、強く押したりしますか?

A. そのような施術は行いません。

初回の​料金と​ご予約

通常 11,000円 → 初回限定 半額 5,500円(税込)/所要時間 約90分
※2回目以降は1回 11,000円(税込)です。

問診 → 検査 → 原因の見立て → 施術できる状態かの確認 → 施術 → 再検査 → セルフケアのご案内、の流れで、じっくり時間をとります。

LINEでは、お名前・お困りの症状・症状の経過・ご希望の施術日(曜日・時間帯)をお送りください。

電話 080-7982-0022(受付 9:00〜18:00)/営業時間 9:00〜19:00/定休日 日曜・祝日

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参考文献・​引用文献

  • [1] Dengler NF, Pedro MT, Kretschmer T, et al. Neurogenic thoracic outlet syndrome: presentation, diagnosis, and treatment. Dtsch Arztebl Int. 2022;119:735-42. doi:10.3238/arztebl.m2022.0296 DOI
  • [2] Gkikas A, et al. Front Surg. 2022;9:848972. doi:10.3389/fsurg.2022.848972 DOI
  • [3] Balderman J, Abuirqeba AA, Eichaker L, et al. Physical therapy management, surgical treatment, and patient-reported outcomes measures in a prospective observational cohort of patients with neurogenic thoracic outlet syndrome. J Vasc Surg. 2019;70(3):832-41. doi:10.1016/j.jvs.2018.12.027 / PMID 30852035 PubMed