この記事の要点
- 脊柱管狭窄症は、背骨の中の神経の通り道が狭くなり、歩くと脚がしびれたり痛んだりする状態です
- 画像で狭さがあっても、症状の出方は姿勢や動き方で変わります
- 当院では「確かめる → 変える → 確かめ直す」で、楽に歩ける条件を一緒に探し、ご自宅で続けられるセルフケアまでお伝えします
先に医療機関へご相談いただきたいとき
次のような場合は、整体より先に、整形外科などの医療機関を受診してください。
- 足に力が入らない、つまずきやすくなった(しだいに悪くなっている)
- 尿や便が出にくい、もれる、お尻のまわりの感覚がにぶい
- 転んだ、ぶつけたなど、はっきりしたけがのあとに痛み出した
- 横になって安静にしていても強く痛む、夜中に痛みで目が覚める
- 熱がある、体重が急に減った、がんの治療中・治療歴がある
当院でも、最初の検査でこうした状態がないかを確認します。必要な場合は、施術の前に医療機関の受診をおすすめしています。
どんな状態か
背骨の中には、脳から脚へ向かう神経の通り道があり、これを「脊柱管」といいます。年齢とともに骨・靭帯・椎間板が変化すると、この通り道が狭くなることがあります。これが脊柱管狭窄症です。
特徴は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。しばらく歩くと脚にしびれや痛みが出て、前かがみになったり、腰かけて休んだりすると楽になります。背中を反らすと神経の通り道がさらに狭くなり、前かがみになると少し広がるためと考えられています。
こんな場面でつらくなりませんか
- 買い物の途中で、何度も立ち止まって休みたくなる
- カートを押して歩くと楽
- 立ちっぱなしの作業で、お尻から脚がしびれてくる
- 自転車なら平気なのに、歩くとつらい
- 高いところの物を取ろうと背中を反らすと、脚にひびく
研究でわかっていること
① 決してめずらしい状態ではありません
日本の40〜79歳の約2,700人を調べた研究では、脊柱管狭窄症が疑われる人は約5.7%でした[1]。年代別では40代1.9%、50代4.8%、60代5.5%、70代10.8%です。40〜79歳の約365万人にあたると推計されています。
※この研究は質問票で判定しているため、実際の人数とはずれがあると著者も述べています。
② 手術をしない場合の経過
手術をせずに過ごした方を追いかけた研究を、18件まとめた報告があります[2]。最初の1年で、痛みや生活の支障が平均で最大3分の1ほど減っていました。その後5年までは、大きな変化は少ないという結果です。ただし、研究の確かさは「低い」と評価されています。
③ 手術と理学療法を比べた研究
50歳以上で手術の候補になった169人を、手術と理学療法に分けて2年間比べた研究があります[3]。身体機能の改善に、はっきりした差は見られませんでした。ただし、理学療法のグループでも57%の方が途中で手術を選んでいます。手術が合う方もいる、ということです。
④ どんな運動・施術が役に立ちそうか
手術以外の方法を調べた研究のまとめでは、「手技(徒手療法)+運動」を組み合わせた方法で、短い期間の症状と機能の改善が中くらいの確かさで示されました[4]。教育と運動を組み合わせたプログラムでは、歩ける距離が伸びたという結果も報告されています。一方、それ以外の多くの方法は、研究の質が低く、はっきりしたことは言えないとされています。
日本の『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021』も参考にしています[5]。
「見えたこと」と「今の症状」は分けて考えます
画像で狭さが見つかっても、狭さの程度と症状の強さは、必ずしも一致しません。同じ方でも、姿勢・歩き方・疲れ具合で、症状が出るまでの距離は変わります。当院では「どうすれば歩きやすくなるか」を、体で確かめながら探していきます。
GENRYUが検査すること
- 何分(何メートル)歩くと症状が出るか。前かがみ・反らす・立ち続けるで、どう変わるか
- 股関節・胸の背骨・足首の動き(腰が反りすぎずに歩けるか)
- 脚の感覚・力、片脚立ちのバランス
- 呼吸や目の動きなど、脳が体を守ろうとして力が入りすぎていないか
この結果を「基準」にして、条件を一つ変えたあとに、もう一度同じ検査をします。その場の変化を一緒に確認します。
ご自宅でできるセルフチェック
いつもの道を歩いて、「しびれが出るまでの時間(または距離)」と、「休んで楽になるまでの時間」をメモしてみてください。前かがみで休んだときと、まっすぐ立って休んだときの違いも記録しておくと、変化を比べる基準になります。
ご自宅でできるセルフケア
上のセルフチェック(しびれが出るまでの時間・距離)を「基準」にします。セルフケアを1〜2週間続けて、同じ道で比べてみてください。
脊柱管狭窄症では、腰を反らすと症状が出やすく、軽く丸めると楽になることが多いと言われています。一方、ずっと丸めた姿勢でいると、背中や首、膝の負担が増えます。腰を反らしすぎずに、股関節をしっかり使えるようにするのがねらいです。
1. 仰向けで片膝を胸に近づける

- 仰向けに寝て、片方の膝を両手で持ち、胸の方へ近づけます
- 反対の脚は、なるべく床の上で伸ばしておきます
- 腰も一緒に軽く丸まるようにして、痛気持ちいいところで30秒
2. もも裏のストレッチ

- 仰向けで片膝を立て、伸ばしたい側の足の裏にタオルをかけます
- タオルを両手で持ち、膝をゆっくり伸ばしながら脚を上げます
- もも裏が伸びるところで30秒
3. 歩くときの工夫
しびれが出る前に、少し前かがみで休むと楽になる方が多いです。休むまでの時間と、休んで楽になるまでの時間をメモしておくと、変化が比べやすくなります。運動と体のケアを組み合わせる方法は、研究でも短い期間の改善が示されています[4]。
中止の目安:しびれや痛みが強くなる・あとまで残る場合は中止してください。脚の力が入りにくい、排尿・排便に異常がある場合は、このページ冒頭の受診の目安をご確認ください。
マイベストプロ大分のコラムでも、関連する内容を書いています。
→ 腰部脊柱管狭窄症ってどんな病気?
→ 腰部脊柱管狭窄症の症状を改善させるためのポイント
→ 腰部脊柱管狭窄症のために日々行っていただきたいエクササイズ
痛みやしびれが強くなる場合は、無理をせず中止してください。
日常生活で気をつけたいこと
- 休み方を工夫する:しびれが出る前に、少し前かがみで休むと楽になる方が多いです。ベンチやカートを上手に使います
- 歩く量はゼロにしない:休みながらでも、歩く習慣を続けることが大切です
- 反り腰になりやすい動きに気をつける:高い所の物を取る、長く立ち続けるなどの場面では、こまめに姿勢を変えます
- 経過は一人ひとり違う:手術をしない場合、最初の1年で症状が軽くなる傾向があると報告されています[2]。変化を記録しながら進めましょう
初回の流れ(約90分)

- お話を伺う:いつから・どんなときにつらいか、病院での診断や治療、お仕事や生活での姿勢を伺います
- 検査:歩いたときや前かがみ・反らしたときの変化、股関節・胸の背骨・足首の動きとバランスを確かめます
- 見立てのご説明:検査の結果から、何が関わっていそうかを図や言葉でお伝えします
- 施術できる状態かの確認:医療機関を先に受診していただいたほうがよいサインがないかを確かめます
- 施術:検査で見つかった場所に、体の状態に合わせた方法で行います。首や腰を勢いよくひねったり、強く押したりはしません
- 再検査:最初と同じ検査をもう一度行い、変化をその場で一緒に確かめます
- セルフケアのご案内:再検査で変化が大きかったものを中心に、ご自宅で続けられる方法をお伝えします
脊柱管狭窄症のよくある質問
Q. 病院で脊柱管狭窄症と診断されています。受けられますか?
A. はい、受けられます。医師の診断を前提に、症状が出にくい姿勢や歩き方を一緒に探します。病院で治療中の方は、初回の問診でお知らせください。
Q. 手術をすすめられています。整体を受けてもいいですか?
A. 手術を受けるかどうかは、主治医とよくご相談ください。当院では、手術の要否は判断しません。主治医の方針がある場合は、それに沿って体の動きをみていきます。
Q. 歩くとつらいのですが、歩かないほうがいいですか?
A. 一人ひとり違います。どのくらいの距離・ペース・休み方なら症状が出にくいかを、検査の中で一緒に確かめます。
Q. ボキボキ鳴らしたり、強く押したりしますか?
A. そのような施術は行いません。
脚の痛み・しびれでご来院された方の声
坐骨神経痛の痛み・しびれで、歩くのがつらかった方(大分市)
※個人の感想です。ほかの方の声は患者さんの声のページでご覧いただけます。
初回の料金とご予約

通常 11,000円 → 初回限定 半額 5,500円(税込)/所要時間 約90分
※2回目以降は1回 11,000円(税込)です。
問診 → 検査 → 原因の見立て → 施術できる状態かの確認 → 施術 → 再検査 → セルフケアのご案内、の流れで、じっくり時間をとります。
LINEでは、お名前・お困りの症状・症状の経過・ご希望の施術日(曜日・時間帯)をお送りください。
電話 080-7982-0022(受付 9:00〜18:00)/営業時間 9:00〜19:00/定休日 日曜・祝日
関連する症状のページ
腰痛(入口) / 坐骨神経痛 / 腰椎椎間板ヘルニア / すべり症・分離症 / 股関節の痛み
参考文献・引用文献
- [1] Yabuki S, Fukumori N, Takegami M, et al. Prevalence of lumbar spinal stenosis, using the diagnostic support tool, and correlated factors in Japan: a population-based study. J Orthop Sci. 2013;18(6):893-900. doi:10.1007/s00776-013-0455-5 / PMID 23963588 PubMed
- [2] Mc Auliffe S, Kirby E, Mockler D, et al. The long-term clinical course of non-surgically treated lumbar spinal stenosis: a systematic review and meta-analysis. Eur Spine J. 2026;35(2):452-470. doi:10.1007/s00586-025-09502-8 DOI
- [3] Delitto A, Piva SR, Moore CG, et al. Surgery versus nonsurgical treatment of lumbar spinal stenosis: a randomized trial. Ann Intern Med. 2015;162(7):465-73. doi:10.7326/M14-1420 / PMID 25844995 PubMed
- [4] Ammendolia C, Hofkirchner C, Plener J, et al. Non-operative treatment for lumbar spinal stenosis with neurogenic claudication: an updated systematic review. BMJ Open. 2022;12(1):e057724. doi:10.1136/bmjopen-2021-057724 DOI
- [5] 日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会監修『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版)』南江堂 Minds